旅立ちの日に…

・いちゆきさん

卒業をテーマに書かれたこの曲は、あいchan自身が中学校を卒業するにあたって、
自らの中学生活3年間の思いを綴った作品です。

桜の季節に初めて出逢った永遠の仲間たち。
3年間の中学生活は期待と不安の入り混じった思春期には
少し早い少年少女たちの出逢いから始まります。
そして、輝く日々を共に過ごした仲間との思い出の時間は、
中学生らしくほんのりあどけなさを残した言葉で綴られています。
迎えた卒業の日。
様々な思い出を胸に、この日を迎える卒業生たち。
卒業とは旅立ちを意味し、新たなる世界へとはばたく時でもあります。
でも、今日のこの日だけは、共に過ごした仲間たちとの時間を大切にしたい。
そして、沢山の思い出を与えてくれた仲間たちに感謝したい。
そんな想いも垣間見る事が出来ます。
中学を卒業しても、やはりあどけなさは隠しきれません。
そんな、小さなつぼみたちに、
これから先、幾年月経て、共に美しい花を咲かせようね、
との想いと共にこの曲を添えているように思えますね。

中学生という等身大の日々を、
春めいた優しい調べで歌われた『旅立ちの日に…』は、
その随所に学校を思わせる場面をメロディーに運んでいます。
静かに始まるピアノの伴奏はどこか音楽室を思わせてくれます。
そして、間奏に使われているピアニカは
中学を最後に殆ど使われる事はなくなってしまいます。
そんなピアニカの音色は学校で奏でられる楽器として
競って練習した日々を思い出させてくれますね。

中学卒業後、東京への上京が決まっていたあいchanにとって、
中学校を卒業するという事は輝く日々を共に過ごした、
全ての仲間との別れを意味していました。
そして、卒業の日は、福岡で過ごした仲間との最後の時間でもあったのです。
それだけに、この曲に込められた思いは強く、
あいchan自身にとっても大切な大切なナンバーなのです。
多くのファンの間で幻の名曲とまで言われた『旅立ちの日に…』は、
遠い過去の出来事だった卒業の日。
これから迎える卒業の日。
それらを、優しく迎えてくれて、
卒業と共に訪れる新しい未来を、そっと諭してくれる、
そんな思い出の日に優しく触れさせてくれる作品なのです。

(2006.04.22掲載)