マーメイド -Album Ver.-

・いちゆきさん

この曲は、2004年8月4日に4枚目のシングルとして発売された
『マーメイド』のアルバムバージョンで、
“マーメイド”そのものに思いをよせて、
新たなアレンジのもと再レコーディングを経て完成した作品です。

そもそも、“マーメイド”とは、
あいchan自身が幼少の頃に最も好きで愛読した
アンデルセンの童話『人魚姫』から、その名がきているもので、
この曲の中では『人魚姫』の世界観から、
一人の女性のひとつの恋の終りを物語っており、
移り行く世界に包まれながら思いを馳せる女性の気持ちを歌われています。

前作は、夏の爽やかさから壮大な広がりを見せる曲に仕上がっていましたが、
今回の作品では、
モチーフの『人魚姫』の世界とイメージを主だったアレンジになっています。
オルゴールの静かなメロディーに『人魚姫』という一冊の本を、
そっと本棚から取り出し、ゆっくり表紙を開いて、その物語が始まっていく。
そして、人魚姫を象徴するようなハープの音色でこの世界に引き込まれていきます。
終わってしまった恋に思いを覗かせてしまう、
とても悲しくて切ない思いに心を支配されてしまいます。
そんな時、ふと見上げた空に、
離れられない想いから心の自由を求めて飛び立とうとする女性の姿を、
人魚姫に見立てて映し出しています。

とても切ない、しかし、どこか心を穏やかにしてくれる。
新しくなった『マーメイド』は、
そんな物語を超えた世界観を与えてくれているのではないでしょうか。

(2006.01.11掲載)