天使降臨

・いちゆきさん

『天使』。
この言葉には、とても深くそして様々な意味が集約されています。
美しい、清らか、癒し、神聖、愛、透明、希望...。
そして、この言葉は自ら命名するものではなく人から与えられるものなのです。

そんな、様々な思いに満たされた、姿かたち無き天使が、
悲しみを抱えた二人の下に舞い降りました。
ほんの少しの悲しみと涙雨を含んだメロディーが
静寂に包まれた都会を映し出していきます。
歌いだしと共に一瞬、時が止まったような感じが全体を包み込み、
あいchanの歌声に許されたように時間が動き出します。

天使が降り立つところは、幸福で満たされている場所ではない、
けれども自らを不幸だと言わしめているところでもない。
ひとつの大切な想いを胸に、
流れ出した時間に身を任せていたふたつの想いの下に天使がささやいたのです。
ふたつの想いが触れ合って幾重の星の輝きへと導かれていきました。
それまで、流した涙も遠く大空へと消えていく、
そんな満たされた想いを天使によってもたらされたのです。

この歌の中には、
天使によってもたらされた幸福へのストーリーと天使から与えられたメッセージが、
あいchan流の表現で込められているように思います。
『天使』とは、本当は存在しないかもしれない。
だけど、全ての人に平等に存在するものなのかもしれません。
最も清き心を持ちえた時に天使は降り立つのではないでしょうか。
この、美しい詩に乗せられたメロディーは、静かに大人の空間へと運んでくれる、
そんな気持ちにさせてくれる穏やかで安らかなナンバーです。

(2005.12.04掲載)