2019年8月20日 Ai Kawashima 17th LIVE 歌園-UTAZONO-
@HULIC HALL TOKYO(東京)

・演奏曲目

3年後の都会(まち)で
どんなときも
Hero
暑中お見舞い申し上げます
あなたが旅立ったあの春のにおい
Flower U
uneasy
I
Face feat. 井上苑子
10 幸せなら手をたたこう
11 手のひらを太陽に
12 アイスクリームレース
13 チクタク
14 8
15 見えない翼
16 My Love
17 飛べない鳥
18 ゴール
19 I Love Your Smile
20 「・・・ありがとう...」

・レポートその1(BLUESさん)

1年に一度、必ず訪れる、夏のこの日。
17年経った今でも、やはりどこか“非日常的”な気がしてならない、
そんな特別な日。
8月20日。

毎年書いている気がするけど、
この日はあまり「スッキリ」晴れた記憶がない。
…2019年のこの日も、雨が降ったり・やんだり。
誰かの「涙雨」なのか。


2002年に渋谷ハチ公前で出逢って、その翌年、
今は無き渋谷公会堂のステージに立ってから
川嶋さんの唯一無二のコンサートも17回を数えるとは
2003年の渋谷公会堂の時は想像もつかなかった。
毎年、ほんとに同じことを思うのだけれど
16年、17年と歌い続けているのは改めてすごいことだと。

そんなことを思いながら有楽町へ。
歩いて通り過ぎることはある(笑)けど
特に目的がないので久しぶりに訪れたという感じで、
マリオンを通り過ぎて一瞬「あれ?」となった(^^;)

時間を見計らい、エレベーターで11階まで上がる。
が。…なんか蒸し暑いな(汗)
有楽町あたりの建物の中でこんなにエアコン効かないか?
というくらい(^^;)

会場に入るまで、たっちゃんやNGCさんと近況報告。
これも年1回の大切な時間です。

会場に入ると「元映画館」というだけに
上に上がる階段が左右に分かれていたり。
そこにCenturyのフラワースタンドが置かれていたのは
事務所さんの計らいだろうか。
ありがとうございます (^人^)

さて…
今年のオープニングナンバーは、どの曲か…

19:02、場内のアカリが落ちて、SEが流れる中、
バンドのメンバーが登場。
ちょっと遅れて、川嶋さんもステージに。
そのままマイクを握るかと思いきや、キーボードの前に。
コウヘイ君と背中合わせになるようなカタチで弾き語る。

17回目のオープニングは、
『3年後の都会で…』
うーん …そう来たか(笑)
まぁ、川嶋さん自身、この楽曲に思い入れが深いんだろうな…
最初の渋公でもしっかりセットの中に入っていたわけだし、
ある意味「歌い続けることの覚悟を歌った」原点。
なのかもしれないな…
と弾き語る川嶋さんを見てて、そんなふうに感じていた。

今回のコンサートでは、ステージ後ろのスクリーンに
様々な風景、空模様、とスライドショーのように
写真の上に歌詩が流れていく演出がされていて
『3年後の都会で…』にシンクロした街角の風景が流れていく。
めずらしい演出ではないけれど、
川嶋さんの場合、“歌詩”が持つ楽曲の力は相当なものなわけで
「ライブを観ながら、ミュージック・ビデオを観ているかのような」
そんな感覚になる(笑)

1曲目でそういう「ちょっとしたトリップ感」にハマりかけたところで
ロートルにはたまらない2曲目
『どんなときも』
贅沢を言えば、この曲で幕開けして欲しかった。
…というのがライブハウス「ギルティ」から観ているファンの端くれとしては
正直なところですけどね(笑)
まぁしかし、2曲目でリラックスできたのか、
マイクを持って前に出て来た川嶋さんの“声”がよく出ている。
そんな声に反応するかのように場内から自然に拍手が沸き起こる。
17年前と変わらないその声は場内を魅了する。
背景の映像に観覧車が映っていたが…
よみうりランドのイベントをふと思い出したね。
『どんなときも』は歌ってないけどね(笑)

2曲、ロートル泣かせの楽曲が続いたところで
3曲目『Hero』
なんでしょう、3曲目とかで聴くととてもいい(笑)
やたら爽やかな気分になる(^^)
これって、アレンジのセンスの問題なのかしら?
実際、本日のバンドメンバーのドラムのリズムとか
ベースの安定感とか、それもココチよかったのも事実。

3曲終わって、挨拶のMC。

「コンバンワ! 川嶋あいです!
17回目の“820”、会場のみなさん一人残らず幸せになってもらいたいと思います!
みなさん!
この曲でサイコーの夏の思い出を作りましょう!」

4曲目『暑中お見舞い申し上げます』
これはとても久しぶりに聴いた気がするなぁ(笑)
まぁ8月20日は立秋過ぎてるからーw
「残暑お見舞い申し上げます」って歌詩替えても面白かったかな?(^^;)
ベースのチョッパーと楽曲のリズムと、
背景に流れる花火の映像が見事にシンクロ☆彡
なかなかグッドな選曲だったんじゃないでしょうか。

そして次の曲は…
「明日旅立つけど〜」という歌詩とメロディー。
…。
……。
「覚えはある。確かCDもちゃんと持っている。
…けど。。。なんて曲だっけ?(汗)」
とメロディーと歌詩に聞き覚えがあっても
楽曲のタイトルが思い出せない曲が続く σ(^_^;)
終演後、ネット検索したら早々にセットリストが上がっていて
それを見て
「あ、そうそう!(≧∇≦)」
というね…( ̄∇ ̄*)

それは、概ね『I WiSH』の楽曲だった。
…というのが、改めて自分の中のスタンスを確認した気分ですね。

5曲目『あなたが旅立ったあの春のにおい』
2003年、お台場Zepp東京での
“I WiSH Winter Greeting”にて披露されたのではなかったかな?
記憶をたどるため、当時のLIVEMANIAを読んでみたが
当時から「I WiSH」の楽曲が耳に入っていかない、
タイトルが覚えられない、…とか書いてるねぇ(笑)

MC。
「改めまして、17回目の820にお越しくださってありがとうございます!
“令和”最初の820ですからね、1年早いですね(笑)
毎年、全国各地からおいでいただきますが…」
と会場に「どこから来ましたアンケート」をとる。
「最南端は沖縄? 北海道は?
関東、北陸、甲信越? 東北は?
…なんだかみなさんが日本地図に見えてきましたw」
と会場を笑わせる。

「今年のタイトルは“歌園”なんですけど
ステージの後ろに映し出される情景とともに歌って行こうと。
歌詩をよりダイレクトにみなさんにお届けしたい。
…そんな想いでの演出になっています」
…なるほど、やっぱりそうだったのね。

「16年くらい前に書いた懐かしい曲を歌いたいんですけど…
デビューした頃の… 学校帰りのストリートとか
路上で歌った帰りとかで“今日はうまくいったかな?”とか
そういう自問自答で一喜一憂していました。
“信じているものがあればやりつづけられる”
“やり続けていればいつか夢は叶うだろう”
そんなふうに…
“自分にしか咲かせられない花がある”
そんな想いで書いた曲です」

これも“I WiSH Winter Greeting”で披露されていた。
6曲目『Flower II』
今聴けば、確かに“川嶋節”全開!
…って感じの歌詩だしメロディーだし、いい楽曲なんだけど
当時はなかなか入ってこなかったなぁ…(´ε`)

続く7曲目、背景のスクリーンに横浜の夜景などの風景が流れ
『uneasy』
歌詩が歌詩だけに、非常にせつない気分にはなる。
まぁ個人差はあるだろうけど、個人的には
川嶋さんの楽曲の中では、苦手な部分かな。
赤裸々すぎて、胸がいたくなる(^^;)

MC。
「1曲だけキーボードで一人で歌いたいと思いますが…」
と前置きをして
「ちょっと変な質問していいですか?(笑)
生まれ変わったら男がいいですか?女がいいですか?」
と。
「圧倒的に男性?(笑)
男性と女性と全然違う生き物だと最近よく思うんですね。
この曲は女性的な気持ちが表現された1曲だと思います」
という紹介で、コレもI WiSHの
『I』
「私強い子じゃない 一人だと壊れそうだから」
と歌われるこの曲は、女性だけではなく
時には男性も襲われる孤独感。なんじゃなかろうか。

個人的には8月20日だし、路上で弾き語りしていた曲とか
初期のアルバムの中の曲を演ってほしかったけどね。

MC。
「新しい曲、古い曲、いろいろ歌えるのが
“820”のいいところでもありますけど…
いちばん新しいアルバムでね、コラボをいろいろしているんです。
その中でいちばん嬉しかったアーティストの曲を歌いたいんですが…
呼んじゃっていいですか?(^^)
井上苑子さんです!」

まさかのゲストに場内が沸く。
おじさんは初めて観ましたね(笑)
申し訳なくも、彼女がどんな声で、どんな楽曲を歌っているのかも
全然知らなかった、のですが(汗)

「私、今まで客席で観せていただいていた側なので
このステージに立っているってことがビックリ仰天です!」
とコメント(笑)

「苑子ちゃんのことを“そのぴー”と呼んでいるんですけど
そのぴーが小5くらいかのお付き合いなんですよね。
みなさん覚えてますかねぇ?
8月20日の渋公で『12個の季節』を歌ったことがあるんですよ!」
…コウヘイ君の伴奏で歌ったそうだが…
すみません、全然覚えていませんでした(;´▽`A``

「わたし、結構歌詩を間違えるんで、ドキドキです」
と、女の子なコメントを(笑)
「この曲のレコーディングの時は緊張で震えてしまいました(汗)」
まぁ天下の川嶋さんとレコーディングする。
…ってなったらそりゃぁ緊張しますわね。

そんな中、アルバム『Ai×(アイタイムズ、と読む?らしい)』から
『Face feat.井上苑子』
を披露。
蒼い背景には映像も歌詩も出なかった。
せっかく有望な後輩とハモってるのだから歌詩は流せばいいのに。
…と思う反面、
二人で世界を創っているのだから、余計な演出はいらないか。
…とも思うのだった。

苑子嬢を送り出して、MC。
「“820”でしか出来ないようなことをこれからもやって行きたいですね。」
と早くも来年に思いを馳せる?(笑)
「さて、気分を変えて…
わたし、童謡が好きなんです。
ここからは『スペシャル童謡コーナー!』
みなさん、スタンドアップ!」
と客席を煽る ヾ(@゚▽゚@)ノ

「ダンサーを呼びます!
高校生ダンサー!“ゆきりん”と“ことぴー”!!」
とメイクの濃い(笑)二人のダンサーを呼び込み、
『幸せなら手をたたこう〜
手のひらを太陽に〜
アイスクリームレース』
と3曲メドレー。

「童謡」というから、職業上もっと下の年齢向けの童謡かと思いましたが (^д^;)

「みなさん、『アイスクリームレース』って初めて聴きました?
結構前にアイスクリーム協会さん用に書き下ろした曲なんですけど(笑)
振付はね、あのパパイヤ鈴木さんがしてくれたんですよ!」
のMCに場内「えー!」の反応(笑)

「高校生ダンサーの “ゆきりん”と“ことぴー” ですけど
数年前の820の時に“キッズダンサー”が来てくれたのを覚えてますか?
二人はその中のメンバーだったんですよ!
今ね、こんなに大きくなってね、女子高生に(笑)」
…ああ、“キッズダンサー”が出てきて踊ってたのは覚えてる。
どこの公演で、なんの曲だったかはまったく覚えてないけど(^^;)
苑子ちゃん、ごめん m(_ _)m

「次も童謡で、新曲なんですけど…
わたし“明石こども大使”に任命されたんですよね(^^)」
あ、そうなの? 知らなかったw
兵庫県明石市の「こども大使」になっていたそうで…
泉房穂・明石市長も来場されていたらしい。
明石のために書いた楽曲をここで披露。
『時の街・明石の歌』…だと思っていた曲は『チクタク』、
『タコの八(はち)』…というタイトルだと勝手に想像していた曲は
そのものズバリ『8』というタイトルらしい(^^;)
(8月29日現在、BLUESのネット検索によるw)
ダンサーの二人と
チクタクチクタク〜♪
ユラユラプカプカ〜 ヽ(^o^)丿

最近のアーティストは、終演後にその日のセットリストを
ロビーに貼りだしてくれたり、
スタッフ氏がホワイトボードや模造紙に書いて貼り付けたり、
会場出口に手書きのセットリストをコピーして
「おみやげがわりにおもちくださいw」
って置いてあったりする。
川嶋さんのスタッフ氏、ご検討ください(笑)

さて、明石のコーナーが終わると、本編のクライマックス☆
12曲目『見えない翼』
で恒例の客席とのかけあい。
「今日イチバンの声をください!」

13曲目『My Love』
この曲も恒例、タオルを振りまわす (^o^)/~~

本編最後の曲は…
まずはドラムのフィルインに導かれてバンドのメンバー紹介。
古いメンバー、コウヘイ君とながじぃは分かったけど
今回いいアンサンブルしてたドラムとベースさんのお名前は
よく聞き取れなかった(汗)

軽快なリズムに乗って路上時代のナンバー
『飛べない鳥』

17年前の暑い夏、どこで歌っているかわからない川嶋さんの路上を探し
渋谷駅前〜NHK前の石畳を行ったり来たりしてたことを思い出す。
ステージ後方のスクリーンには
海の向こうの太陽(沈むのか?昇ってくるのか?)が映し出され
本編最後にピッタリだったと思われる。

20:38、メンバーと共に、両手を広げて挨拶し、
ステージ袖に引っ込む。。。

約5分後、ステージが明るくなり、
今年の“820Tシャツ”を着たメンバーと川嶋さんが登場。

「17歳で初めて8月20日のステージに立って。
来年で34歳になりますので、人生の半分以上、
あの日の自分よりも長く歌うんだな、と…
関わった方、そしてファンのみなさん、本当にありがとうございました」
と深くお辞儀をする。
「ぜひ、来年の“820”も、みなさんに会えるようにがんばっていきます」
と覚悟を語る。

「新曲をお届けしようと思います。
ライブでは何度か歌ったことがあるんですけど、
まだレコーディングはしていない楽曲です。
…『結婚はゴールだ』とかよく言いますけど
結婚した先にゴールがある。
そんなふうに思っています。」

ゴールは見えないよ
ゴールは決めないよ
走り続けていたい…

と歌われる『ゴール』を歌う。

2003年の渋谷公会堂が終わって1週間後、
いや10日後か。
渋谷をうろうろして原宿に抜けようとしたときに
NHK前で歌っていた川嶋さんに遭遇した。
正確には「歌い終わって」いて、CDを手売りしてサインしていたので
その列に並んだわけだけど。
…あの時感じた
「この子はどこまでも走り続けてる」
という気持ちをふと思い起こさせた。

実際、今でも走り続けているからこそ、
ロートルの気持ちをもつかんでいるわけだけど(笑)

MCで「結婚」云々という話があったけど、
ラブソングというよりは自身へのエールを歌った楽曲ですかね。

アンコール2曲目は、ここ数年の〆のナンバー
『I Love Your Smile』
ららら… と客席と一体になって右へ、左へゆるやかに揺れる。
穏やかな気持ちのうちに、曲が終わった。

ステージでは、メンバーとともに、
「バンザイ \(^_^)/」

そして深いお辞儀とともに、再びステージから去っていく。

…しかし…
8月20日は、ここでは終わらない。

約3分後、グリーンのワンピース?に着替えた川嶋さんが登場。
今年は、八王子の時のようにギターのながじぃを伴って。

「1週間くらい前に福岡に帰っていまして。
子供の頃通っていた塾の40周年記念パーティーに出席してきたんですけど。
小6の時の先生に20年ぶりとかで再会しまして…
『あなたよりもお母さんのことをよく覚えている』と言われたんです。
『とてもよくしゃべる人だった』とか(笑)
そのころ既に、私が歌手になるためのストーリーを母は決めていたそうなんですね。
…やりつづけることの意味を考えると、続けていくことで夢につながっていく。
自分の足で、どう歩いていくのかが大事。」

そう思わせてくれたのは、母です。

…という話をしてくれた。

ギターのイントロが鳴る。

今年も8月20日の最後は
『…ありがとう...』




21:15、手を振って、ステージ袖に川嶋さんが消え、
今年の8月20日公演も静かに終わった…。



終演後、しばし天井を見上げて息を吸い込み、
最前列のお母さんの遺影に手を合わせた。
2003年に渋谷公会堂にいた仲間もほとんど姿を見せなくなったけど
自分はいつまで時間を共有していけるだろう。


終演後、ロビー物販で「Ai×」の初回盤を購入。
気が向いたときに聴くつもりで(すぐ聴けやw)


数名で飲みに行ったわけだけど、
コンサートについての話題はもちろんだけど
「うちの親が…」とか「〇〇さんが入院して…」とか
笑ってばかりもいられない話題ももちろん出て、
「15年前とかみたいなわけには、いかんね」と苦笑い(^^;)

当たり前の話だけど、17回、回数を重ねるということは、
我々も、もちろん川嶋さんも年齢を重ねているということですからね。



2020年、オリンピックの年の川嶋さんの18回目の「8月20日」は
どんな景色を魅せてくれるのだろう。



また来年? 逢いましょう m(_ _)m




(2019.08.29掲載)