2011年10月12日 ROCKETMAN feat. 川嶋あい
『それでも僕たちは生きてゆく』リリース記念トーク&ライヴ
@KDDIデザイニングスタジオ(東京)

・演奏曲目

旅立ちの日に・・・
それでも僕たちは生きてゆく

・レポートその1(ひいらぎさん)

”大切なことを 忘れないために”

そのミュージックビデオは、
そういう言葉から始まっていた。


ふかわりょうさんは、
”タイミングが大事で、”
”川嶋さんとこうして一緒に出来たのも偶然じゃなくて、”
”川嶋さんとだから出来た歌だと思っている”
と言っていた。


「それでも僕たちは生きてゆく」


この歌を初めて聴いたのは、4月だった。

大きな震災から、まだそんなに日が経っていない頃、
川嶋さんも、ふかわさんも、
何かをしようと、既に活動を始めていた。
だからこそ、繋がったんだと思う。

言葉ではなく、とても意志に満ちた、いい歌だと思った。


「私は、この歌の原型の頃から携わってきたので、」
「出来上がって本当に嬉しく思ってます。」
ふかわさん 「後悔してませんか?」
川嶋さん  「してません!」
川嶋さんは、笑いながら、そう答えていた。
いい笑顔だった。


「昨日の夜出来たばかりのPVを、見て頂きたいと思います。」
ふかわさんがそう言って、その映像が流された。

「それでも僕たちは生きてゆく」
いいミュージックビデオだった。
あれは、石巻や、そういった風景だったろうか、
川嶋さんも、その風景の中にいた。
時折差し挟まれる、非現実的ですらある、壮絶な光景と、
その地で、それでも元気に生きる人たちの、あたたかな笑顔と、
ラ〜ララッ、ラ〜ララッ、という、優しく美しいリフレイン。

誰もが持っているはずの、
生きてゆくための漲る生命力が、
感じられるようだった。

以前は無かったんだけれど、
完成したその歌の終わりのほうには歌詞があって、
川嶋さんはそれを一定のトーンで歌うんだけど、
でもそれが、なんだかとても優しげだった。

この映像を始めて見る川嶋さんも、こう言っていた。
「この歌の意味が、すごく良く伝わってきました。」
「ラララがほとんどなのに、映像で見ることでより意味が伝わってきて、」
「東北の人たちの書いたメッセージの一言一言が、一番伝わってきましたね。」
「この出来事を忘れてはいけないと、あらためて思いました。」


この後、もう一度この歌が流された。
ふかわさんが手拍子を促し、
川嶋さんが歌い、
KDDIデザイニングスタジオの
あの小さな空間に集まった人たち全員で、
手拍子をし、ラララと声を出した。
それは、あのミュージックビデオに収められたものと
同じ意味を持つような、想いを一つにする時間だった。



”大切なことを 忘れないために”
私は、自らその地に赴いて、見て、感じたことを、
今日見た、川嶋さんの素敵な笑顔を、
その向こうにあるであろう深い想いを、
忘れないようにしたいなって思った。



ありがとう。

今日も、素敵でした。

(2012.08.22掲載)