2010年7月8日 Ai Kawashima 1st Sound Book「そらいろ」発売記念イベント
＠原宿KDDIデザイニングスタジオ(東京)
・演奏曲目
１ Simple Treasure
・レポート(ひいらぎさん)
一年越しの、夢だった。
こんなに、鮮やかな歌なのか！
僕は、嬉しかった。
プレイヤーにCDをセットし、一曲聴き終える前に、
もう、嬉しくてたまらなかった。
こんなに嬉しいのか。自分でも、びっくりした。
Simple Treasure
もしかしたら、
僕には聴くことが叶わないかもしれないと思っていた、
夢の歌だ。
2009年5月6日、雨の東京ミッドタウン。
雨天時は中止と事前アナウンスのあったイベントで、
それでも僕は、徐々に強くなる雨に降られながら、
緑の芝生の真ん中に、ずっと立ち続けていた。
ずっと、考えてた。
数日前までニューヨークにいて、
Simple Treasureを歌っていた川嶋さんの事を。
この頃、僕はずっと、川嶋さんを待ち遠しく感じていた。
一時帰国して歌った神戸震災ライブ、
ワシントンDCさくら祭り直後に行われたアスナル金山のライブ、
どちらも、心がふるえた。
帰国する度に、川嶋さんの凄さを実感していった。
この日も、ニューヨークさくら祭りを経た、
帰国後最初のイベントだった。
YouTubeにアッブされたさくら祭りの映像を、
Simple Treasureの歌声を、その想いを、
まぶしいくらい輝かしい川嶋さんの姿を、
何度も何度も見続けていた頃だ。
Simple Treasureを、聴きたかった。
でもそれは叶わない。
おそらく、日本で歌うことはないんだろう。
六本木の無機質な高いビルに見下ろされながら、
降りしきる雨の中、そんな事を考えてた。
ちょっとばかり、淋しくも感じながら。
僕は、カケラを初めて聴いた時の衝撃を、
今でも鮮明に憶えている。忘れもしない、
2008年6月15日、ザ・ベストツアー初日の岡山だ。
ジーンズにＴシャツ姿のシンプルな装いで、
川嶋さんは、そっと、でも力強く、カケラを歌い上げていた。
初めて聴く、悲しげで、でも、あたたかな歌。
力強く、でも、優しい歌。
まだ発売されていないその歌を、
ツアーで聴いた記憶を体全体から呼び起こしながら、
何度も、その美しいフレーズを反芻してた。
ツアー中盤の福岡では、
書き起こした歌詞を、ずっと眺め続けていた。
こんな事、なかったよな。
ワンフレーズ、ワンフレーズを
少しずつ、頭に刻んでいった。
川嶋さんの歌声を、思い出しながら。
なんだか、嬉しかったんだ。
カケラがとても、優しかったから。
先日、Simple Treasureを聴いた。
24/24ツアーで、ようやくその機会が訪れた。
嬉しかった。でも、僕はこの時、
Simple Treasureだけに感動することはなかった。
それほど圧倒的に、24/24が、素晴らしかったから。
川嶋さんは常に前へ進み続ける。
今の僕は、24/24で、気持ちが一杯だった。
もっと、24/24に包まれていたかった。
でも、どうだろう。
発売されたSimple Treasureを、
僕はこんなに嬉しく聴いている。
そして、思い返す。
僕は、ずっとこの歌と一緒だったんだと。、
素敵だ。そして、なんて鮮やかなんだろう！
カケラからSimple Treasureへ、
メロディーを少し明るくしただけで、
こんなに幸せに満ちた歌に感じられるなんて。
僕はもう、カケラの深い優しさを知っている。
そして、24/24の温かさを、ずっと感じ続けてきた。
今だからこそ、Simple Treasureに、
幸せの響きを感じられているのかもしれない。
今日は、原宿KDDIデザイニングスタジオで、
「そらいろ」発売イベントが行われた。ラジオ公開収録と握手会。
1Fにあるイベントスペースは、観覧席が段差をとって作られているので、
駆けつけた100人近い人たちは皆、満足いく感じで観覧できたことだろう。
ラジオの公開収録では、集まった人たちを交えた質問コーナーもあり、
Simple Treasure も、歌われたという。
僕が会場に到着した頃には、収録は終わっていた。
聴きたかった。
でも、僕は充分満足していた。
大丈夫、
Simple Treasureは発売された。
僕にはまた、この歌を聴く機会があるかもしれない。
その時が、本当に楽しみだから。
イベントに最初から参加できた人たちと、
収録に間に合わなかった僕とでは、
もしかしたら、今日のイベントへの感動の質は違うかもしれない。
でも僕は、それ以上に、Simple Treasureの発売を待っていた。
この歌を聴けることが、本当に嬉しかった。
川嶋さんの歌が聴ける喜び、
僕はそれが、本当に嬉しい。
そんな事を想った、一日でした。
（2010.08.29掲載）