2003年5月31日 NEXT Wing vol.1 〜飛びたつことを夢見て〜
ESPミュージカルアカデミー本館ホール

・演奏曲目

どんなときも
最後の夕日
シャングリラ
天使たちのメロディー
上を向いて歩こう(カバー)
twelve seasons 〜4度目の春〜

・レポートその1(BLUESさん)

台風が来ていた。こんな時期に(笑)。
5月31日、かなりの雨の降る中、午前中仕事をして、仕事上がりでそのまま山手線に
乗った。
今回あいちゃんが参加したイベントは ESPミュージカルアカデミーという音楽関係の
仕事に就こうという若者(笑)を育てる専門学校主催の「NEXT Wing Vol.1 〜飛びた
つことを夢見て〜」というイベント。
2ndアルバムのタイトルが「はばたける日まで…」である事を考えると、実にあいちゃ
んにピッタリなイベントだといえる(笑)。

新宿〜池袋はしょっちゅう歩いているので、 会場であるESPミュージカルアカデミー
の本館近くもフラフラしながら歩いたことがあったので迷う事なく到着。
ウワサではあいちゃんは7時頃の出演、ってことだったが、実際には5時半頃の予定に
なっていた(笑)。

他の主演者の方々もなかなか魅せてくれる内容の濃いイベントだったが、会場に入る
ときに、入り口で電話をしている人の声がなにげに聞こえてきた。「あのさー、1曲
カットしてくれっていうんだけどさー、どれはしょる?」と。
「そっか、今日も予定より少ないのか…」と思いつつあいちゃんの登場を待つ…。
今回も「弾き語り」スタイルだと思い込んでいた私たちは、ステージのセッティング
がバンドのモノなので、「エ?今度はあいちゃんぢゃないの?」と『???(クエス
チョンマーク)』が(笑)。ところがこれがあいちゃんのバックバンド用のセッティ
ング!
アンケート用紙に実はすでにメニューは記載されていて、「オイオイ、今日は『どん
なときも』がオープニングだよ!?」というナゾもこれで解けた(笑)。

かなーり前置きが長くなったけど(^^;)、5時55分頃、バンドの方々を前に黒いパンツ、
赤いシャツ(正式名称はオジサンのため不明…^^;;)、クリスマス・ライブのダンス
パートを思い起こさせるスタイリッシュでカッコイイあいちゃんが登場。ブラウンに
なった長い髪を靡かせて、マイクスタンドを握りしめて、クリスマス・ライブ以来5ヶ
月振りのバンド・サウンドに乗せて、堂々と歌う「どんなときも」のカッコイイこと!
左目の下にキラキラしたモノを発見(それがナニか知らないオジサンは、終演後あい
ちゃんに直接質問してしまった…「ラインストーン」と言うんですね^^;;)、それが
また路上のあいちゃんとは違うあいちゃんを演出している。
しかしオープニングで「どんなときも」を聴くと、「あー、あいちゃんのライブを観
に来たね!」という感じがした(笑)。
やはり、個人的に好きな1曲であるし、原点であると思う。最近、このテの曲を生で
聴いていなかったので、非常に嬉しかった。
MCが入って、自己紹介。歌ってる時とは別人みたいにかわいい(笑)。やっぱり17歳
の女の子だなァ、と感じる(^^;)
2曲目は「最後の夕日」。この日はいつもあいちゃんのバックでピアノを弾いておら
れるスガワラ氏がキーボードではなく、初めて見る女性の方だった。若干、ピッチが
急ぎ過ぎかな、と思って聴いていたのだが、もともと好きな曲。途中から曲に完全に
ハマる(笑)。
バンドのオケが少し出過ぎてて、時折あいちゃんの声が埋もれがちになるが、この日
のアレンジではキーボードが心地よく、ギターソロも個人的によかったと思った。
みんな座って観てるのに、最前列で立ってる3人の方々のお陰で見えにくく、かなー
り興醒めの部分もあったけど、あいちゃんに免じて許す(笑)。
そして、引き続き5thから初めて生で聴くことになる「シャングリラ」。
聴いてて改めて思ったのは、この曲が意外とライブ栄えする曲だなー、と言う事。あ
の場にいた他の方々がどう思われたかはわからない。しかしライブの曲として聴いて
いて非常に惹き込まれた。それは17歳であれだけの声が出るあいちゃんの声の魅力に
他ならないのだけど、あのテンポの曲で高揚をつけられて、会場全体をあいちゃんの
声が包み込んでる様な錯覚を起こしてしまった。時折入ってくる歪んだギターが胸に
痛く、歌詞と相まって非常に切ない。あいちゃんのソングライターとしての成長を、
ライブで再確認した曲になった。
再びMC。スポットライトがキツイようで、それを気にしているうちに、MCで言うべき
事を忘れた模様(笑)。困ってるあいちゃんに、みんなが助け舟を出す(^^;)。
渋谷公会堂のチケットのお話、5thが出ましたのお話、CDの売り上げ5000枚達成のお
話…。
あいちゃんが路上に出て来月で早くも1年。つまりながらのMCを聞きながらそんな事
を思っていると
「路上に出始めた頃から歌ってる大事な曲です」と、4曲目は「天使たちのメロディー
」。
おそらくクリスマス・ライブのアレンジに近いと思われるが、路上のあいちゃんの弾
き語りとはやはりひと味違う。バックバンドが付いてるのだからそれは言うまでもな
く当たり前のことなのだが、ライブハウスの様な空間で「天メロ」を聴く、というこ
とが曲のイメージも変えてしまうのですね。
…個人的には「ドラムは入らなくてもイイなぁ」って思ったけど(笑)。
さて、「天メロ」に続くのは故・坂本九氏の名曲「上を向いて歩こう」。久しぶりに
「川嶋あい・カバーシリーズ」の登場(笑)。
MCでは「九さんの様に、いつまでも聴いてもらえる歌を歌っていきたい」と言って披
露された。ちょっとスカ(レゲエ)っぽいアレンジで堂々と歌う。と、言うより楽し
そうだった。
…どうでもいい話だけど(ここのみ、読み飛ばし推奨…笑)、自分が初めて一人でア
メリカ・ニューオリンズへ行ったとき、ミシシッピ川沿いの公園でラッパ吹いてた黒
人の爺さんが「上を向いて歩こう」を吹いていて、しばらくそれを観てたら「気に入っ
たのか?」って言われたので「日本の曲だ。オレ日本から来たんだ」って言ったら
「一緒に演ろうじゃないか、歌え」って言われて「旅の恥は書き捨てか」って一緒に
歌ってしまった(笑)。そしたら変わった組合せなのでいつの間にか観客に囲まれて
拍手をもらって(^^;)。「これでオマエとは友達だな」って爺さんに言われたんだけ
ど、二度と会うことはなかった(笑)。
…あいちゃんの歌で、そんな事を思い出していた。
さて、1曲カットのため、次の曲で最後なのはわかっていたけど、そこにMCが入った。
上京してきて2年、壁にぶつかったけど路上に出てがんばってる自分…。そんなこと
を振り返りつつ、「2年間温めて来た曲なんです」と5thの最後に入ってる「twelve
seasons 〜4度目の春〜」を。
MCの間に、キーボードの方だけ残し、バンドの方々は退散していた。キーボードの弾
き語りで「4度目の春」を歌う。。。
この曲は、例えばワンマンをした時とか、10曲くらい歌うイベントとかで、オーラス
で歌うと非常に胸にキていいなぁ、と感じた。
あいちゃんの気持ちが曲に乗ってるのが伝わってくる。
あいちゃん、泣いてる…?
ライトがキツいから目が乾いて目を擦っていたのか、それともラインストーンがライ
トに反射してキラキラしてたのか、かなり前で観てたけどわからなかった。でも、気
持ちが入って泣いていたのかもしれない…。

1曲カットで6曲だったとはいえ、非常に内容の濃いライブであったと思う。
この日は叙情的な曲の多い4thからの選曲はなかった(「瞳を閉じて」なんかはバン
ドで演ったらイイ感じだと思うけど)。会場では「時雨」がメニューに無かった事を
残念に思うという声が聞かれた。でも、この日のあいちゃんは、「バンド向けの曲」
を考えてピックアップして来たのだと思った。それも、ファンをちゃんと喜ばせてく
れる選曲で…(笑)。なんかアーティストっぽくなってきたなァ、などと勝手に感心
してみたりする(笑)。
ライブ毎に違う「川嶋あい」を魅せてくれるので、わたしはあいちゃんのライブへ足
を運ぶんだな、とそう思った。
渋谷公会堂まであと3ヶ月を切った。
次はどんな「川嶋あい」を魅せてくれるんだろう。

…その前に路上を見なきゃね(笑)。

・レポートその2(匿名希望さん)

 私にとっては目黒以降はじめてのステージ(本人はライブハウスと表現)でした。
「どんな時も」を1曲歌ったあと、いきなり
「みなさんこんにちわ、川嶋あい、17才!!です。」とつかみを入れ、聴衆を引
きつけてはじまりました。

 会場的には、バンドが持込んだステージ上のPAにヴォーカル系PAが負けていて
(ヴォーカルアンプの出力が不足ぎみ)、さらにピンスポットが真正面から照らして
いて、思わず「眩しい!」とつぶやく状況で、さらに跳ね返りスピーカ(ボーカルを
歌っている本人に向けて再生するステージ上のスピーカ:バックの音が大きい場合、
これが聞えないと非常に歌いにくい)の音量も不足している状況で、バックバンドも
腕は良いが音合わせが不足しているような感じで、万全という感じではありませんで
した。
 それにもかかわらず、少し前に出演していた女性ヴォーカルの方(跳ね返りが聞え
ないと言っていたのはこの人で、川嶋さんはそのようなことは言っていません)と比
較するのは気の毒ですが、川嶋さんの場合は、大音響のバンドをかき分けてきちんと
ヴォーカルが聞え、本来の透明な心癒される曲がちゃんと聴けました。
 後半は、バンドが音量を多少下げてくれ、それでもバックの音が大きすぎましたが、
ミキシングバランスもある程度は改善していました。

 おそらく、持ち時間内で曲を多く聴いて欲しかったのでしょう、MCは少な目のよう
に思いましたが(実はボケかけで全部を覚えていない!?)、記憶に残っているMCの
雰囲気は以下のようなものです。
「良い曲をどんどん歌ってゆきたいと思いますので最後まで聞いて下さい。」
「8月20日に渋谷公会堂でワンマンコンサートをやります。世界一のステージにし
ようと思っています。まだまだなので、お客さんが(笑)みなさんぜひ来て下さい。」

眩しくて、MCを忘れてしまって、立往生したシーンは、BBS書込みに詳しいので、参照
願います。「どうしましょう!」とは言いませんでした(笑)。

「CD 5,000枚達成の記念として、天使達のメロディーを歌います。」
「皆さん、坂本九さんって知ってますか?飛行機事故で亡くなったのですが、いまな
お沢山の人に元気を与えていますよね。私が何十年後かにおばあちゃんになったとき
に、そういえばって思い出されるのではなくて、その時代の人にちゃんと聞いてもら
ってその時代の勇気になれるような歌を歌ってゆくのが目標です。」

 実は私がレポートを書く気になったのは、何十年か後も、その時代の勇気を歌う、
というコメントが、まさに私が川嶋さんに最も大きく期待している事柄で、高田馬場
に行けなかったファンの方々とも共有したいという思いから、これを書いています。
 私は、彼女がおばあちゃんになる頃はこの世にはもう存在していないと思いますが、
ファンの方々みんなでバックアップしてあげて欲しいと願っています。

 「上を向いて歩こう」は、軽快なリズムにのせて、今は悲しいけれども、前を見て、
未来に向って大きな希望を持って歩こう、という気持が伝わり、だんだん楽しくなっ
てゆく、そんな感じに仕上り、カバーにもかかわらず、川嶋さんにぴったりの曲と感
じました。
 作詞:永六輔さん、作曲:中村八大さん(故人)によって、今から40年以上も前(
私はリアルタイムで聞いた世代)に作られた曲ですが、「スキヤキ・ソング」として
海外でカバーされた分も含め、2桁の著名なアーティストによって歌い継がれた名曲
です。私は、川嶋さんのレパートリーに追加したら良いと思いました。
 ただ、私は、川嶋さんが、いつか、これを越える曲を作ってくれると信じています。

「上京してきて2年たち、なにも出来ずにいた1年間と、路上ライブを1年間頑張っ
た自分をくらべると、頑張った自分が大きなステップになりました。これからも、心
に響くような曲を歌っていきたいと思いますので、ぜひ、応援お願い致します。」

 ラストナンバー「twelve seasons 〜4度目の春〜」は、おそらく中学のころの淡い
初恋を歌った曲のようで、キーボードだけの伴奏で、完璧な仕上りのように思われま
した。ただ、この1曲だけでも、自分で弾いて欲しかった気はしました。
 5thでファンに最も人気がある曲のようです。

 私は、そのときからあまりに時間が経ちすぎて、昔の感傷に浸れるほど鮮明な記憶
がなく、「上を向いて歩こう」、そして、「シャングリラ」が好きでしたが、年寄特
有の聴き方なのでしょう。

 結局、出演時間が事前に発表されず、川嶋さんの出演までに、私からすると騒音と
も思えるような音に2時間半近くもつきあう羽目になったわけですが、それらを全て
忘れさせてしまう、素敵なステージでした。

 『世界一』の8/20が楽しみです。